- 2024年12月18日
血圧の管理目標
糖尿病治療では、合併症予防のため高血圧、脂質異常症の管理も同時に行う必要があります。
糖尿病の有無や年齢により血圧の目標値や、LDLコレステロールの目標値は変わってきます。
今回は血圧の目標値に関してお話します。
血圧の目標値
・糖尿病患者 130/80mmHg未満
・慢性腎臓病(尿蛋白あり) 130/80mmHg未満
・慢性腎臓病(尿蛋白なし) 140/90mmHg未満
・75歳以上 140/90mmHg未満
・75歳未満 130/80mmHg未満
各ガイドラインにより高圧目標が変わってしまうという問題はありますが、肝心なのは血圧が下がりすぎると不利益が生じる患者さんがいるということです。
高齢の患者さんでは動脈硬化が進行しているケースも多く、血圧が下がることで臓器の血流が悪くなり臓器障害が進行する可能性もあります。
また、尿蛋白の有無は非常に大切な検査結果です。尿蛋白の出ていない慢性腎臓病の患者さんでは腎臓の動脈が狭窄している場合が多く、過剰な血圧管理が腎臓へ悪影響を与える場合もあります。
糖尿病患者さんの目標血圧は130/80mmHg未満となっていますが、高齢の患者さんや、尿蛋白の見られない患者さんでは血圧の下げすぎは避けたほうが良いでしょう。逆に、尿蛋白の見られる糖尿病患者さんは特に血圧管理を頑張る必要があります。
普段の診療では、年齢、尿蛋白、腎機能(eGFRの数値など)の変化を見ながら目標血圧を個別に考えていく必要があります。
糖尿病・甲状腺おおたけ内科クリニック(仮称)
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