• 2025年8月16日

CPAPは継続が重要!

閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に気道が閉塞し低酸素や睡眠分断を引き起こす慢性疾患であり、心血管疾患リスクと強く関連しています。その標準治療として広く用いられているのが持続的気道陽圧療法(CPAP)ですが、心血管イベントの再発予防効果については長年議論されてきました。

心血管疾患の既往のある閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者に対するCPAP治療が、心筋梗塞や脳梗塞など(MACCE)を減らすかどうかを検証するためのシステマティックレビューおよび個別患者データ(IPD)メタ解析です。

主な結果

  • CPAP群と非CPAP群の間でMACCE発生率に有意差はありませんでした(HR 1.01, 95% CI 0.87–1.17)。
  • 1日4時間以上のCPAP使用を「良好な順守」と定義した場合、良好順守群ではMACCEリスクが31%低下(HR 0.69, 95% CI 0.52–0.92)

解釈と意義

  • CPAP治療そのものを「割り当てられた」だけではイベント抑制効果は確認されませんでした。
  • しかし、毎日4時間以上しっかり使用した患者に限定すると、再発リスクが有意に低下
  • この結果は、OSA治療の心血管予防効果において「治療の順守」が極めて重要であることを裏付けています。

まとめ

  • CPAPはOSAの症状改善や血圧低下効果が知られていましたが、今回の大規模IPDメタ解析により、心血管疾患二次予防には「使用時間」が決定的要因であることが示されました。

JAMA Published Online: October 3, 2023 2023;330;(13):1255-1265.

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