• 2026年2月26日

甲状腺が腫れている?原因と検査を専門医が解説

甲状腺腫大とは、のどぼとけの下にある甲状腺が通常より大きくなった状態のことです。原因として頻度が高いのは、慢性甲状腺炎(橋本病)やバセドウ病といった免疫の異常によるものと、甲状腺にしこり(腫瘤)ができるものです。いずれも早期の診断と適切な経過観察が重要です。

甲状腺が腫れる原因にはどんなものがある?

甲状腺腫大の原因は、大きく分けて「びまん性」と「結節性」の2つに分類されます。

びまん性甲状腺腫大(甲状腺全体が腫れるタイプ)で頻度が高いのは、慢性甲状腺炎(橋本病)とバセドウ病です。いずれも自己免疫の異常が原因で、体の免疫が自分自身の甲状腺を攻撃してしまうことで腫れが生じます。

慢性甲状腺炎は甲状腺機能が低下する方向に進むことが多く、バセドウ病は逆に甲状腺ホルモンが過剰に分泌される疾患です。症状の方向性は正反対ですが、どちらも甲状腺が腫れるという共通点があります。

結節性甲状腺腫大(しこりができるタイプ)は、甲状腺腫瘤と呼ばれます。良性のものが大半ですが、一部に悪性(甲状腺がん)が含まれるため、サイズや性状に応じた精密検査が必要になります。

甲状腺腫瘤が見つかったらどうする?

甲状腺に腫瘤(しこり)が見つかった場合、まずは超音波検査(エコー)で大きさ・形状・内部の性状を詳しく評価します。

当院では、腫瘤が2cmを超えるものについては、**穿刺吸引細胞診(FNA)**を実施して良性か悪性かの鑑別を行っています。これは細い針を甲状腺に刺して細胞を採取する検査で、外来で短時間に行うことができます。

2cm未満の腫瘤であっても、エコーで悪性を疑う所見(形が不整、内部に石灰化があるなど)がある場合には細胞診を検討します。逆に、明らかに良性と考えられる場合は定期的なエコーでの経過観察を行います。

臨床の現場では、健診や他の検査で偶然見つかる甲状腺腫瘤は非常に多く、その大部分は良性です。ただし「良性だから放置してよい」というわけではなく、サイズの変化がないかを定期的に確認することが大切です。

慢性甲状腺炎(橋本病)とはどんな病気?

慢性甲状腺炎は、自己免疫の異常により甲状腺に慢性的な炎症が起こる疾患です。日本人女性の約10人に1人が抗甲状腺抗体を持っているとされ、非常に頻度の高い疾患です。

主な特徴として、甲状腺全体がびまん性に腫大すること、血液検査で抗TPO抗体や抗サイログロブリン抗体が陽性になること、甲状腺機能が正常の方もいれば低下する方もいること、が挙げられます。

甲状腺機能が正常であれば治療の必要はありませんが、機能低下が進んだ場合にはホルモン補充療法(レボチロキシンの内服)を行います。当院では血液検査と超音波検査を組み合わせて定期的にフォローしています。

バセドウ病で甲状腺が腫れるのはなぜ?

バセドウ病では、TSH受容体抗体(TRAb)という自己抗体が甲状腺を刺激し続けることで、甲状腺ホルモンが過剰に産生されます。この持続的な刺激によって甲状腺が腫大します。

バセドウ病の典型的な症状は、動悸・体重減少・手の震え・発汗増加などですが、甲状腺の腫れだけが最初の気づきになることも少なくありません。「首が太くなった気がする」「襟元がきつくなった」といったきっかけで受診される方も当院ではよくいらっしゃいます。

治療は抗甲状腺薬(メルカゾールやプロパジール)の内服が第一選択です。薬の効果や副作用を定期的に確認しながら、長期的な管理を行います。

よくある質問(FAQ)

Q. 甲状腺が腫れていると言われましたが、自覚症状がありません。受診は必要ですか?

A. はい、受診をおすすめします。甲状腺の病気は自覚症状がないまま進行することが多く、健診で偶然見つかるケースも珍しくありません。血液検査と超音波検査で原因を特定し、治療が必要かどうかを判断することが大切です。

Q. 甲状腺の腫瘤が良性と言われました。もう受診しなくていいですか?

A. 良性であっても、定期的な経過観察は必要です。腫瘤のサイズが大きくなっていないか、性状に変化がないかを半年〜1年ごとに超音波検査で確認することをおすすめしています。

Q. 甲状腺の細胞診は痛いですか?

A. 細い針を使用するため、通常の採血と同程度の痛みです。麻酔なしで行い、検査自体は数分で終わります。外来で実施でき、検査後すぐに日常生活に戻れます。

Q. 瑞浪市で甲状腺の専門的な検査ができるクリニックはありますか?

A. 当院(糖尿病・甲状腺 おおたけ内科クリニック)は甲状腺疾患を専門の一つとしており、超音波検査・血液検査・穿刺吸引細胞診に対応しています。瑞浪市・土岐市・恵那市・多治見市から多くの方にご来院いただいています。

Q. 甲状腺の病気は遺伝しますか?

A. 慢性甲状腺炎やバセドウ病には遺伝的な素因があり、家族に甲状腺の病気がある方は発症リスクがやや高くなります。ご家族に甲状腺疾患の方がいる場合は、一度検査を受けておくと安心です。

まとめ ― 甲状腺の腫れが気になったら、専門医にご相談くださ

甲状腺腫大の原因は、慢性甲状腺炎やバセドウ病といった自己免疫疾患から、甲状腺腫瘤までさまざまです。自覚症状がなくても、血液検査と超音波検査で原因を特定し、必要に応じて細胞診による良悪性の鑑別を行うことが重要です。

瑞浪市・土岐市・恵那市・多治見市にお住まいで、甲状腺の腫れやしこりが気になる方は、糖尿病・甲状腺 おおたけ内科クリニックまでお気軽にご相談ください。WEB予約・お電話(0572-56-6800)のいずれでもご予約いただけます。

糖尿病・甲状腺おおたけ内科クリニック ホームページ