予防接種について

当院では、ワクチンによる各種予防接種を行っています。そもそもワクチンとは、特定の病原体の病原性を無力化したり、極力弱めたりした生物学的製剤の一種です。これを体内に接種していくことで、その感染症に対する免疫がつけられるようになります。その後、同様の病原体が体内へ侵入したとしても、発症しにくくなる、もしくは発症したとしても軽度な症状で済むようになります。
当院で受けられる主な予防接種
インフルエンザ、肺炎球菌、風しん・麻しん(風しん麻しん混合)、帯状疱疹、新型コロナ、HPVワクチン など
インフルエンザ
インフルエンザは、インフルエンザウイルスへの感染によって起こります。一般的な風邪よりも急激に発症し、症状の重いのが特徴です。大抵の場合は、一時的に高熱が出ますが、その後は徐々に症状が治まっていき、3~7日ほどで回復します。しかし、免疫力が落ちている方などは、気管支炎や肺炎を併発しやすいので注意が必要です。さらに悪化すると、脳炎や心不全に至るケースもあり、油断できません。日本では冬の寒い時期に流行することが多いので、その前(11~12月ごろ)に予防接種を受けるようお勧めいたします。
肺炎球菌
肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防し、重症化を防ぐ上でもワクチン接種が重要となります。近年は、抗菌薬の耐性化によって治療が困難な症例が増加していますので、ワクチンによって事前に感染リスクを下げておくようにしてください。なお、肺炎球菌ワクチンは、すべての肺炎を予防できるわけではありません。ワクチン接種後も、うがいや手洗い、口腔衛生など日常生活上の予防対策を怠らないでください。
風しん・麻しん(風しん麻しん混合)
風しんは、風しんウイルスが原因となる病気です。2~3週間の潜伏期間を経た後に発症します。主な症状は、38℃前後の発熱、顔や首などに見られる赤くて小さい発疹です。発疹はかゆみを伴い、やがて手足など全身に広がるようになります。風しんは、これといった治療をしなくても3~4日ほど安静にしていれば自然に治ることが多いです。しかし、妊娠3カ月未満の妊婦が感染してしまうと、それが胎児に感染して、出生後に白内障や難聴といった障害が起きることがあります(先天性風しん症候群)。このようなリスクを避けるため、事前にワクチンを接種しておくことが重要です。
麻しんは、感染力が非常に高いとされる麻しんウイルスに感染することで引き起こされる病気です。10日ほどの潜伏期間を経てから発症し、38℃程度の発熱、のどの炎症、くしゃみ、咳、鼻水、結膜炎といった症状がみられます。当院では風しん麻しん混合ワクチンを接種することができます。
帯状疱疹
帯状疱疹は、これまで水ぼうそうに罹患したことがある方に起こります。原因となる水痘・帯状疱疹ウイルスは、水ぼうそうによる皮膚症状などが治まった後も体内の神経節に潜伏し続けます。そして、過労や加齢によって免疫力が低下すると再びウイルスが活性化し、神経節に沿って赤い発疹や水ぶくれ、ピリピリした神経痛が起きるようになります。中高齢者の方は、こうしたリスクを避けるにも、帯状疱疹ワクチンの接種をお勧めいたします。
新型コロナ
ご承知の方も多いと思いますが、新型コロナウイルスが原因となる感染症です。これに感染すると、人によっては重症化し、命に影響することもあります。とくに高齢者や基礎疾患のある方は重症化のリスクが高く、入院治療が必要になるケースも少なくありません。主な症状は、発熱、咳、痰、のどの痛み、全身の倦怠感、息切れ、嗅覚や味覚の異常などです。症状が悪化すると、強い呼吸困難になったり、意識が朦朧することもあります。現在は全額公費による接種が終了していますが、希望される方は新型コロナのワクチンを有料で受けることができます。なお高齢者などは費用が一部助成されることもあります。詳細は、瑞浪市の公式ホームページをご覧ください。
HPVワクチン
HPVワクチンは、子宮頸がんなどを予防する効果があります。なお、このワクチンには3つのタイプ(2価、4価、9価)があります。このうち2価(サーバリックス)は、子宮頸がんになりやすいHPVの16、18型の感染を予防します。4価(ガーダシル)は、HPV16・18型のほか、尖圭コンジローマの原因とされる6・11型のHPVに関しても予防効果があります。9価(シルガード9)は、子宮頸がんになりやすい16、18、31、33、45、52、58型と、尖圭コンジローマになりやすい6・11型に対して予防効果が認められています。当院ではどのタイプも接種することができます。