糖尿病について

糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高い状態が続く病気です。
私たちの体は、食事から摂取した炭水化物がブドウ糖に分解され、血液を通して全身の細胞に運ばれてエネルギー源として利用されます。 この時、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、ブドウ糖を細胞に取り込む働きをしています。
糖尿病では、インスリンの分泌量が少ない、あるいはインスリンがうまく働かないため、ブドウ糖が細胞に取り込めず、血液中に溢れてしまいます。
糖尿病治療は日々進化しており、適切な治療を行うことで現在では糖尿病の無い方と変わらない生活ができるようになっています。
当院では専門医の立場から患者様それぞれに最適な治療を選択します。
このような症状のときは当院をご受診ください
- 健康診断などで「血糖値が高い」と指摘された
- のどがよく渇く
- 尿のにおいが気になる
- 体重が急激に増加した
- 最近、疲れやすくなった
- 手足がしびれる
- 足がむくむ・切り傷やそのほかの皮膚の傷が治りにくい
- 視力が落ちてきた
など
主な原因
インスリンは、血液中のブドウ糖を細胞に取り込むために必要なホルモンです。 インスリン作用不足になると、ブドウ糖が細胞にうまく取り込めなくなり、血糖値が高くなってしまいます。これが糖尿病につながるわけです。インスリンの作用不足の原因はインスリンの分泌低下、インスリン抵抗性の大きく二つにわかれます。
日本人は、欧米人に比べてインスリンの分泌能力が低いという特性があります。 また、日本人を含む東アジア人は、軽度の肥満でもインスリン抵抗性になりやすいという傾向もあります。
1型糖尿病の場合は、インスリンを産生する膵臓のβ細胞が主に自己免疫によって破壊されることが原因となります。小児や若年層の患者様が多いのですが、成人でも発症することがあります。
糖尿病の治療
当院では、患者様一人ひとりの生活背景やご希望に寄り添い、様々な選択肢の中から最適な治療法をご提案いたします。1型糖尿病の方では、インスリン分泌がほとんど行われないためインスリンを投与するインスリン療法を行います。2型糖尿病では、食事療法と運動療法が基本となります。また、食事療法と運動療法を行っても血糖値が改善しない場合は、薬物療法を併用します。
HbA1cを目標範囲に管理し、神経障害、腎症、網膜症、血管障害などの合併症を予防することが糖尿病治療の目標ですが、同時に高血圧、脂質異常症の治療も必要です。
HbA1c
過去2ヶ月程の平均的な血糖値の状態を反映する検査値です。
一般的にはHbA1c 7.0%未満を目標とします。
年齢や、低血糖のリスクに応じて目標値が変わることがありますのでそれぞれの患者様で適切な範囲で管理する必要があります。
合併症
糖尿病合併症には神経障害、網膜症、腎症、血管障害などがあります。
合併症予防のため、血糖値を適切に管理するだけではなく、高血圧、脂質異常症の治療も重要となります。
糖尿病の患者様には定期的に合併症の評価も行っています。